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遺留分の負担の順序

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2023年7月10日

1 遺留分と遺留分侵害額請求の対象

⑴ 遺留分とは

遺留分とは、一定の相続人が最低限受け取ることができる相続財産の持分的利益のことをいいます。

そして、遺留分が侵害された場合、遺留分権利者は、遺留分を侵害している人に対し、遺留分侵害額請求権の行使をすることができます。

⑵ 遺留分侵害額請求の対象

遺留分侵害額請求の対象となる行為は、遺贈や贈与です。

ただし、遺留分の負担の対象となりうる遺贈や贈与については、遺留分侵害額請求の順序が決まっています(遺留分の負担が同順位のものが複数存在する場合、遺言によって順序を指定することはできます)。

遺留分侵害額請求について、先順位の負担分が遺留分に足りない場合には、後順位のものから負担される仕組みとなっています。

2 遺留分侵害額請求の順序

⑴ 遺贈と贈与の順序

遺留分の負担の対象となる遺贈と贈与の両方があった場合、まず遺贈から遺留分を負担し、それでもなお遺留分の侵害がされていれば、次に贈与の方から負担をすることになります。

⑵ 遺贈または同時贈与が複数ある場合の順序

遺贈または同時贈与が複数ある場合、原則として、遺贈または同時贈与されたものの価値の割合に応じて遺留分を負担します。

ただし、遺言者が別段の意思表示をしていた場合は、遺言者のその意思に従い、遺贈または同時贈与の中で負担順序を指定することができます。

⑶ 同時になされたのではない贈与が複数ある場合

同時になされたのではない贈与が複数ある場合は、相続開始時に近い贈与から遺留分を負担します。

⑷ 受遺者が無資力の場合

このような順序で遺留分を負担しますが、最初に遺留分侵害額請求すべき遺贈等を受けた者(以下、受贈者といいます。)が無資力で遺留分を確保できなかった場合、次に遺留分侵害額を請求すべき受贈者に対してできるわけではありません。

受遺者の無資力によって生じた損失(遺留分を確保できなかったという不利益)は、遺留分権利者が負担する、つまり後順位の受贈者に請求できないということになります。

3 弁護士法人心にご相談ください

このように、遺留分の負担の対象となる行為が複数ある場合は、遺留分侵害額請求をする順序を検討する必要がありますし、そもそも遺留分侵害額の請求をすることができるのかを検討するため遺留分算定の基礎となる財産の算定をする必要があるなど、難しい判断に迫られることがあります。

弁護士法人心では、相続案件を集中的に取り扱う相続チームがあり、質の高い業務をお客さまに提供できる体制を整えております。

遺留分に関する問題でお悩みの方は、弁護士法人心にご相談ください。

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